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残業代請求お悩み相談室

残業代不払いは違法?残業代不払いの実態教えます!


shutterstock_312512738日本人は働き過ぎな国民と言われることがあります。定時に帰るなんてもってのほか。そんな風潮すらあります。そうした風潮の下、労働者の中には、毎日が残業という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、残業をした場合に、その分の残業代はしっかり会社から支払われていますか。こちらをお読みの方の中には「うちの会社は残業代が不払いになっている」という方もいらっしゃるでしょう。 

今回は、残業代不払いの実態を踏まえて残業代を会社に請求するまでの流れについて説明していきたいと思います。ご参考になれば幸いです。

目 次

1、残業代不払いの実態
2、残業代不払いは違法?
3、残業代が発生する仕組みは?
4、残業代請求するために必要な証拠とは?
5、残業代の計算方法は?
6、残業代の請求方法

1、残業代不払いの実態

所定の就業時間を超過して働いている場合には、本来ならば残業代が支給されるはずです。しかし、会社側は労働者に対して様々な理由をつけて「残業代はもらえない」と主張しているのが実態です。
具体的には、以下のように主張して、労働者に残業代を支給しない場合が多いですが、これらの場合には本来は基本的に残業代をもらうことができます。

・定時にタイムカードに打刻させた後に、残業させているケース
・仕事を自宅に持ち帰らせて仕事をさせているケース
・残業時間に上限が設けられているケース
・いわゆる名ばかり管理職扱いにしているケース
・労働時間の端数が切り捨てられているケース

2、残業代不払いは違法?

日本人は諸外国の国民に比べて勤勉な国民と言われ、働き過ぎな国民と言われることがあります。そのため、会社のためなどと考えて好意で残業をしている場合もあるでしょう(いわゆる「サービス残業」)。
では、そのような場合でも残業代を会社側が支払わないのは、違法なのでしょうか。

結論から言えば、本来残業代が支払われるべきであるのにもかかわらず、支払われていない場合には、違法です。 
残業代等の根拠は、労働基準法に定められており、残業代等の支払いは、法律によって規定されている労働者の権利です。そして、それは同時に、会社の義務でもあります。もし、会社と労働者との間で、残業代等を支払わないとの合意を行っていたとしても、その合意は法律に反する違法な合意であることから無効となります。
未払い残業代等を会社に請求する権利は、労働者の正当な権利であるということになります。

3、残業代が発生する仕組みは?

ここまでで基本的に残業していたら残業代を請求できることを説明していきました。次は具体的になぜ残業代が請求できるのかを知ってもらうため、残業代が発生する仕組みについて説明していきます。

(1)残業代が発生する仕組み
残業代が発生する仕組みとしては、所定労働時間(会社で定められた労働時間)を超える労働を行った場合に発生することになっています。
例えば、所定労働時間が8時から17時までの勤務の方(休憩時間は1時間とします。)の場合で、8時から19時まで働いたとすると、2時間分の残業代が発生することになります。 

そして、労働基準法においては、労働時間は、原則として、1日8時間、1週間で40時間と定められています。もし、この規定に違反して労働させた場合には、会社には労働者に対して所定の割増賃金を支払う義務があります。
なお、残業代が実際に発生する場合については、後述の「(2)残業代が実際に発生する場合」で説明します。

(2)残業代が実際に発生する場合
基本給以外に残業代が発生するのは、以下のような場合です。
・所定の就業時間を超えて労働している場合
・1日8時間を超えて労働している場合
・1週間で40時間を超えて労働している場合
・午後10時から午前5時までの深夜時間帯に労働している場合
・休日に労働している場合

4、残業代を請求するなら集めておきたい!残業代請求するために必要な証拠とは?

残業代を請求しようとする場合には、どのような証拠を集めたら良いでしょうか。残業代の請求にあたっては、大きく分けて以下の3種類の証拠が必要になります。

(1)残業していたことを証明する証拠
例えば、
・タイムカードや毎日の勤務時間表のコピー
・出勤簿のコピー
・交通ICカード型定期の通過履歴
などです。

(2)残業代の計算にあたり必要な証拠
例えば、
・雇用契約書
・就業規則
などです。

 (3)会社が十分な給与を支払っていなかったことを証明する証拠
全労時間が書かれている給与明細が必要になります。

5、残業代の計算方法は?

残業代等は、以下の計算式で算出することができます。
「労働者の1時間当たりの賃金」×「残業時間数」×「割増率」
それぞれの詳しい意味については以下をご参考下さい。

(1)労働者の「1時間当たりの賃金」の算定
・日給制の場合
日給を1日の法定労働時間数である8時間で割って算出します。

・月給制の場合
基本給与を「月平均所定労働時間数」で割って、「1時間当たりの賃金」を算定します。
なお、「月平均所定労働時間数」は下記の算定式で算出します。
「月平均所定労働時間数」=(365日(うるう年の場合は366日)-1年間の休日数)×1日の所定労働時間数÷12 

(2)残業時間数の計算方法
多くの企業では、1日8時間、週40時間の労働制を採用しているところが多いと思われます。
その場合の実際の残業時間は、
・休憩時間を除く1日8時間を超えた労働時間
・休憩時間を除く週40時間を超えた労働時間(1日8時間を超えた労働時間を除く)
の合計となります。

なお、ここでいう「労働時間」とは、現実に労働した時間を言いますので、例えば遅刻や早退等によって労働していなかった時間はもちろんのこと、有給などによって労働しなかった時間は「労働時間」には含まれませんので注意して下さい。

 (3)割増率
割増率は以下の表の通りです。

労働の種類賃金割増率
時間外労働(法定労働時間を超えた場合)25%割増
時間外労働(1ヵ月60時間を超えた場合)
※適用猶予の場合有
※代替休暇取得の場合は25%の割増無
50%割増
深夜労働
(午後10時から午前5時までに労働した場合)
25%割増
休日労働(法定休日に労働した場合)35%割増
時間外労働(法定労働時間を超えた場合)+深夜労働50%割増
時間外労働(1ヵ月60時間を超えた場合)+深夜労働75%割増
休日労働+深夜労働60%割増

6、残業代の請求方法

最後に、残業代の請求方法について説明していきます。

(1)まずは話し合いで交渉!
実際の残業代の金額が出たら、それをもとに残業代を任意に支払ってくれるように会社側と話し合いましょう。
コンプライアンスを重視している会社であれば、おそらくその時点で未払いの残業代を支払ってくれるはずです。
しかし、コンプライアンスを無視しているようないわゆる「ブラック企業」の場合には、話し合いすらまともに応じてくれないことも多いです。 

(2)話し合いが上手くいかないようであれば内容証明郵便を送る!
会社側が任意の交渉に応じてくれないようであれば、今度は会社に以下の内容を記載した内容証明郵便(郵便局が通知した内容を証明してくれる郵便のことです。)を送りましょう。 

1.相手方の会社の名前・住所
2.あなたの名前・住所
3.雇用契約について
4.残業の事実と残業代未払いの事実について
5.「残業の事実と残業代未払いの事実」を証明する証拠があること
6.残業代の金額(場合によっては別送で残業代計算書を送ってもよいです。)
7.請求金額と支払い期限
8.支払い口座 

中小企業であまり法律に関心を持っていない会社の場合には、内容証明郵便が公的な書面の体裁を備えていることから、未払い残業代を支払わないといけないという風に思って、残業代を支払ってくれる可能性もあります。ただし内容証明郵便は、法律的にはあくまで普通の書面であるために、内容証明郵便をもらい慣れてしまっている会社などは内容証明郵便を出しても支払ってくれない可能性が高いです。

しかしそのような場合でも、内容証明郵便を送ることで「時効の進行を止める」という効果はあります。残業代の時効は2年間で、2年前のものまでしか請求できません。そのため、時効によって請求できる残業代の金額が減ることを避ける意味で、内容証明郵便を送ることは重要です。

なお、弁護士に依頼することで、内容証明郵便の送付により残業代を回収できる可能性は高まります。

(3)交渉が決裂してしまった場合の方法
会社との任意の交渉で残業代を回収することができなかった場合には、以下の手続きをとって残業代の回収を図ることになります。 

①労働審判
労働審判とは、解雇や給料の不払いなど事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルをそのトラブルの実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的として、平成18年に創設された手続きのことです。

訴訟(裁判)と同じく裁判所で行われる手続きです。期日は3回以内とされており、訴訟に比べて、早期解決が期待できる手続きです。
そして「労働審判」は、裁判所の判断であるため、確定すれば判決と同一の効力があり、差押え(強制的に会社の財産を没収し、そこから残業代を支払ってもらうこと)も可能になります。 

もっとも、審判の結果にどちらかが納得いかなかった場合、審判に対する当事者から異議の申立てがあれば、労働審判はその効力を失い、労働審判事件は結局、訴訟に移行することになってしまいます。

②訴訟
労働審判をしても解決できなかった場合には、裁判所に民事訴訟を提起して残業代を回収することになります。

まとめ

今回は残業代の不払いの実態を踏まえて会社に残業代を請求するまでの流れについて説明してきましたがいかがだったでしょうか。
残業代請求は、ご自身で行うことも可能ですし、弁護士などの専門家に依頼することも可能です。ベリーベスト法律事務所では無料相談を承っているので、残業代請求をお考えの方は一度お問い合わせ下さい。


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