「残業をすれば、残業代がもらえる」ということ自体は、広く一般的に知られていることです。
しかし、会社から「あなたは管理職なので残業代は支払いません」と言われ、残業代が一切支払われていない方もいらっしゃるでしょう。でも、あなたは本当に法律上、残業代が支給されない「管理職」なのでしょうか。
今回は、管理職に残業代が出ない理由や、残業代を請求できる場合の請求方法について解説していきます。
あなたが残業代をもらえていない場合、会社側の主張のひとつとして「管理職だから残業代を支払う義務がない」というものがあります。
たしかに、あなたが労働基準法上の「管理監督者」に該当する場合には、労働基準法上、残業代(割増賃金)を払わなくて良いとされています。
しかし、労働基準法上の管理監督者とは、労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者とされ、管理監督者にあたるかどうかは、職務内容や責任、権限が実態に即していること、賃金等の待遇面にも留意して判断されるべきものとされています。
「課長だから管理職」「店長だから管理職」というのは会社独自の基準です。これが労働基準法上の管理監督者に該当しないことは十分にあり得えます。
もし、会社側が「あなたは管理職だから残業代が出ません」と主張してきた場合には、素直にその言い分を受け入れず、まずは自分が本当に法律上の管理監督者に該当するのか確認すると良いでしょう。
残業代をもらえない「管理職」とは具体的にどのような地位にある者を言うのでしょうか。
労働基準法によれば、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者」とあります。この抽象的な文言について、日本マクドナルド事件では、以下で述べる3点を中心に総合考慮をして管理監督者にあたるか否かを判断しています。
前述した管理監督者の基準を踏まえて、管理監督者に該当しない場合には、いわゆる「名ばかり管理職」として、会社に残業代を請求することができます。
まずは、ご自身で、または弁護士と相談しながら、本来支払われるべき残業代を計算し、内容証明郵便でこれを会社に請求する旨の通知をします。
ご自身で会社と交渉しても問題が解決しない場合には弁護士に相談することをお勧めします。弁護士に依頼して弁護士名で内容証明郵便を出せば、会社側にきちんと対応しなければと思わせることができます。
内容証明郵便を受け取った会社が、あなたの請求した額どおり、もしくは請求に近い額を支払ってくれればそれで解決します。しかし、会社によっては誠実に対応してくれない場合もあり、交渉が進展しないこともあります。
そこで、裁判所を通じて会社に残業代を請求する方法として、「労働審判」という手続きがあります。
労働審判は、裁判官1名と労働審判員2名の計3名を加えて、原則として3回以内の期日で、審理を終わらせる手続きをいいます。
通常は、まず話合いの機会が設けられますが、話合いがまとまらなければ審判が下され、審判が確定すればそれをもとに強制執行ができることから、会社側が交渉に応じる可能性が高まります。話合いで解決して調書が作成された後,会社が合意内容どおりに支払わなかった場合も強制執行をすることができます。
しかし、もし審判確定前に当事者のどちらかから異議が出た場合には、通常の訴訟に移行します。
最初から労働審判を選択しなかった場合、または労働審判に異議が出されて訴訟に移行した場合には、訴訟で解決を図ることになります。
いわゆる「労働裁判」ですので、法律の専門知識が必要になりますし、解決までに半年~1年以上かかることもあり、長期戦になります。
法的知識がない一般の方がおひとりで対処するのは非常に困難なため、労働問題に詳しい弁護士に依頼して進めることが得策です。
今回は、管理職に残業代が出ない理由や残業代を請求できる場合の請求方法について解説しました。
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