日本人は働き過ぎな国民と言われることがあります。定時に帰るなんてもってのほか。そんな風潮すらあります。そうした風潮の下、労働者の中には、毎日が残業という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、残業をした場合に、その分の残業代はしっかり会社から支払われていますか。こちらをお読みの方の中には「うちの会社は残業代が不払いになっている」という方もいらっしゃるでしょう。
今回は、残業代不払いの実態を踏まえて残業代を会社に請求するまでの流れについて説明していきたいと思います。ご参考になれば幸いです。
所定の就業時間を超過して働いている場合には、本来ならば残業代が支給されるはずです。しかし、会社側は労働者に対して様々な理由をつけて「残業代はもらえない」と主張してくる場合もあります。
具体的には、以下のようなケースがあります。
日本人は諸外国の国民に比べて勤勉な国民と言われ、働き過ぎな国民と言われることがあります。そのため、会社のためなどと考えて好意で残業をしている場合もあるでしょう(いわゆる「サービス残業」)。
では、そのような場合でも残業代を会社側が支払わないのは、違法なのでしょうか。
結論から言えば、本来残業代が支払われるべきであるのにもかかわらず、支払われていない場合には、違法です。
残業代等の根拠は、労働基準法に定められており、残業代等の支払いは、法律によって規定されている労働者の権利です。そして、それは同時に、会社の義務でもあります。
もし、会社と労働者との間で、残業代等を支払わないとの合意を行っていたとしても、その合意は法律に反する違法な合意であることから無効となります。
未払い残業代等を会社に請求する権利は、労働者の正当な権利であるということになります。
ここまでで基本的に残業していたら残業代を請求できることを説明していきました。
次は具体的になぜ残業代が請求できるのかを知ってもらうため、残業代が発生する仕組みについて説明していきます。
(1)残業代が発生する仕組み
残業代が発生する仕組みとしては、所定労働時間(会社で定められた労働時間)を超える労働を行った場合に発生することになっています。
例えば、所定労働時間が8時から17時までの勤務の方(休憩時間は1時間とします。)の場合で、8時から19時まで働いたとすると、2時間分の残業代が発生することになります。
そして、労働基準法においては、労働時間は、原則として、1日8時間、1週間で40時間と定められています。もし、この規定に違反して労働させた場合には、会社には労働者に対して所定の割増賃金を支払う義務があります。
なお、残業代が実際に発生する場合については、後述の「(2)残業代が実際に発生する場合」で説明します。
(2)残業代が実際に発生する場合
基本給以外に残業代が発生するのは、以下のような場合です。
残業代を請求しようとする場合には、どのような証拠を集めたら良いでしょうか。
残業代の請求にあたっては、大きく分けて以下の4種類の証拠が必要になります。
(1)残業していたことを証明する証拠
例えば、
残業代等は、以下の計算式で算出することができます。
労働の種類 | 賃金割増率 |
---|---|
時間外労働(法定労働時間を超えた場合) | 25%割増 |
時間外労働(1ヵ月60時間を超えた場合) ※適用猶予の場合有 ※代替休暇取得の場合は25%の割増無 |
50%割増 |
深夜労働 (午後10時から午前5時までに労働した場合) |
25%割増 |
休日労働(法定休日に労働した場合) | 35%割増 |
時間外労働(法定労働時間を超えた場合)+深夜労働 | 50%割増 |
時間外労働(1ヵ月60時間を超えた場合)+深夜労働 | 75%割増 |
休日労働+深夜労働 | 60%割増 |
最後に、残業代の請求方法について説明していきます。
(1)まずは話し合いで交渉!
実際の残業代の金額が出たら、それをもとに残業代を任意に支払ってくれるように会社側と話し合いましょう。コンプライアンスを重視している会社であれば、おそらくその時点で未払いの残業代を支払ってくれるはずです。
しかし、コンプライアンスを無視しているようないわゆる「ブラック企業」の場合には、話し合いすらまともに応じてくれないことも多いです。
(2)話し合いが上手くいかないようであれば内容証明郵便を送る!
会社側が任意の交渉に応じてくれないようであれば、今度は会社に以下の内容を記載した内容証明郵便(郵便局が通知した内容を証明してくれる郵便のことです。)を送りましょう。
今回は残業代の不払いの実態を踏まえて会社に残業代を請求するまでの流れについて説明してきましたがいかがだったでしょうか。
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